明石天文科学館のがら空き駐車場について




 明石の天文科学館の入り口付近には、一人のガードマンが近くを通る人を見張りながらうろうろしてゐる。

 天文科学館と道をはさんだ所にある駐車場に誰かが車を入れようとすると飛んで行つて「ここは天文科学館の利用者しか使へません」と言つて、駐車場を利用 しに来た人を追ひ返すのが彼の主な仕事である。

 もちろん天文科学館を利用しに来た人まで追ひ返すわけではない。しかし、そんな人は非常にまれである。

 次に、万が一にも天文科学館を利用する人が駐車場に止めた場合に、その人が天文科学館を出て他所へ行かないやうに天文科学館の入り口で見張つてゐるのも 彼の仕事である。

 この駐車場は有料ではあるが、天文科学館の利用者のための駐車場であつて、天文科学館の利用者でなければ利用できないことになつてゐる。しかし、たとへ 天文科学館を利用した人でも、そこから出て他所へ行つたりしたら、それはもう天文科学館の利用者ではなくなつてしまふ。そんなことにならないやうにするの も彼の仕事なのである。

 したがつて、この駐車場の利用者は、天文科学館へ行つたついでに、車を置いたまま天文科学館のすぐ裏手にある人丸神社にお参りすることはできないし、天 文科学館へ行つたついでに、いい天気だからと天文科学館の近所の公園を、車を置いたまま観光がてら散歩することはできないのである。なぜなら、そんなこと をすればもはや彼は天文科学館の利用者とは見なされなくなるからである。

 そしてこの実直なガードマン氏のおかげで、天文科学館の駐車場には天文科学館の利用者以外の人の車が駐車されることは決してない。

 そしてこの実直なガードマン氏のおかげで、天文科学館の駐車場に駐車してゐる車は非常に少なく、平日ではこの広大な駐車場はがら空きで、片隅に二三台が 止められてゐるだけである。

 ところで、このガードマン氏の態度はとても高圧的である。明石市にはこの手の職員がまだまだたくさんゐるやうだが、彼もその仲間になつた積もりなのだら う。彼は天文科学館の利用者でないと思ふと、その人を追ひ出すために「あかんあかん」を連発して出て行かさうとする。

 しかし、有料駐車場を作つて天文科学館の利用者しか止めさせないのは天文科学館の都合でしかない。利用者にしてみれば金を出して止めるのであるから、そ れからどこへ行かうと自由なはずだ。それでも駐車場をがら空きにしておかねばならない理由があるのなら、それを説明して丁重にお引取りを願ふのが筋であら う。

 その際には「すみませんが」とか「申し訳ありませんが」といつた言葉が当然含まれてよいはずだ。ところが彼のガードマン氏は下つ端公務員の融通の利かな い態度そのもので、「それはあかん、これはあかん」と言ふばかりである。全く印象の悪いことこの上ない。

 そもそも、明石の天文科学館と言へば明石市にとつて代表的な施設である。明石の顔と言つてもいい。その施設に行つて最初に出会ふ人間の印象は、明石市に とつて非常に重要であるに違ひない。ところが、非常に残念なことにそれがこのガードマン氏なのである。

 わたしには、なぜ天文科学館の駐車場を自動にしないのか不思議で仕方がない。あの広大な駐車場に天文科学館の利用者以外の車が止つたところで、天文科学 館の利用者が不便をするといふことはないはずだ。また、この駐車場を多くの利用者に開放すれば、駐車場収入が増えるかも知れない。

 いや、たとへ天文科学館の利用者以外に開放したとしても、明石の中心部から徒歩で15分以上もかかるこんな所に車を止めようとする人は少ないだらう。と ころが、その誰も止めに来ないやうな駐車場にわざわざガードマンを置いて、利用者以外には止めさせないやうにして、明石の印象を悪くしてゐるのであるか ら、まさに明石市は税金をドブに捨ててゐるやうなものである。

 もともと明石市の施設は利用料金が高くて使ひづらいものが多い。明石の県立と市立の図書館は駐車料金が五百円もとられるこれは図書館の入場料が五 百円であるのと同じことである。(後記:これは最近改善されて最初の一時間は無料(→その後30分に短縮された)になつたし、図書館の職員の態度は非常に親切である)。海浜公園のプールを利用 するにも、別に駐車料金を五百円取られる。人工島の端のあんな遠い所には車以外に行きやうがないから、結局プール代一回千円といふのに等しい。それにこの 天文科学館(プラネタリウム一回駐車料込みで千円)(後記:ホームページを見ると今は900円になつてゐる)である。(明石市はおせつかいな拡声機放送もする。この市の職員は家の中にゐる人間に向つてスピーカー で話しかける無礼が分からないのである)

 ところで、明石の天文科学館は単独でペイしてゐる施設なのだらうか。今やプラネタリウムはどこにでもある。だから、プラネタリウムを見に明石まで 来る人はもはや多くない。天文科学館の利用者数は減る一方ではないのか。ならば、天文科学館はプラネタリウムよりも展望台など別の施設を売りものにしてい く必要があるのではないのか。

 ところが、今のままでは展望台に登るだけで駐車料をとられるのだ。そして、そこからどこへも行くなと言はれるのだ。もつとも、天文科学館の開館時間は、 公務員の便宜のために午後五時までとなつてゐるから、展望台から明石の夜景を楽しむことは出来ない。今のままでは、天文科学館は一生に一度行けばいい施設 として、明石のお荷物になつてしまふだらう。

 それにしてもあのガードマン氏の給料はどこから出てゐるのだらうか。それがあの駐車場の駐車料金でとても賄へないことだけは、あのがら空きの駐車場を見 れば一目瞭然である。

 まつたく、明石市はよほど財政に余裕があるに違ひない。考へてもみて欲しい。なにせ、駐車場をなるべく利用させないため、つまり、なるべく収入を増やさ ないために、わざわざ金を使つて人を雇つてゐるのであるから。


付 このページを読んだ方から次のやうなメールをいただいた。参考のために、ここの掲載させてゐただく。
なほ、この差出人のメールアドレスのarima-seikotsuinとは実在の整骨院の名前と同じであるが、同院の関係者のメールであるかどうかは不明である。
このページには以前にもこのやうな悪態をついたメールが送られてきたことがあるが、確かその時も整骨院のアドレスだつたと思ふ。
このページに関しては他の反応は皆無なので、同じ人からかもしれないと思ひ、ここに掲載した次第である。
もちろん、このページのこの文章は明石市の市政をからかつた戲文であり、件のガードマン氏に何の咎もないのは言ふまでもない。

意見 陽久山 公天‏
差 出人: arima-seikotsuin@mail.goo.ne.jp
送 信日時: 2009 年6月10日 14:26:18
宛 先: 当頁管理人

http://www.geocities.jp/hgonzaemon/tenmonkagakukan.html

明石天文科学館のがら空き駐車場について!!!
を拝読しました。
感想は、普段まわりにいる普通の日本人の見方ですな。
車は便利かつ、移動先で置き場所に困るものですね。
本来、施設の駐車場は施設利用時のみに使用できる処ですよね。
ついでだから、安心できるから、移動させるのも大変だから、の理由(思考)で置きっ放しにするのは
問題ですね。利己主義と思いますよ。30年以上前はマナーが良かった。今は横暴かつ自分勝手すぎる
人が氾濫していて、倫理や道徳が崩れて、無茶苦茶です。
広大な駐車場が満車にならないのは、明石市の運営の問題で、各個人の駐車場の利用法とはなんら関係
は無いですよね。あくまでも、天文科学館利用者のための駐車場でしょう。スーパーや商業施設の駐車
場も、買い物が終われば、車をのけてくださいと言うのが筋です。
運転者は、権利とかサービスが悪いとかで決めてかかりますが、そこはただの我がまま、自分都合主義
しかありません。
天文科学館の駐車場警備員のかたは本当にご苦労様です。励ますとか、挨拶をするのが道義と思われま
すが、あやまれや、態度がでかいと言うのは、あなたの教養が疑われますね。
高学歴、高級な職業についている人が、おかしな事件を起こして騒がれるのが普通に思えるこの頃です
から、あなたのような考えの方も珍しくはないです。周りや、みんながそうしているという、今の悪い
流れは変えていかねばいけませんよ。そうしてください。

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