ちなみに、商品の言葉にはユダヤ人の使うヘブライ語のほかにも多くの言語が存在するが、その正確さはまちまちである。たとえば、商品Aの価値は、商品A
が商品Bと等しいことによって表わされるということを、ドイツ語の"wert sein"は、ロマンス語の動詞である"valere, valer,
valoir"ほど分かりやすくは表現できない。例えば、 Paris vaut bien une
messe!(訳注「パリはミサに値する」仏王アンリ四世の言葉で、パリは新教派の王がカトリックに改宗してでも入城する値打ちがあるという意味。この改
宗によって王は国内の宗教的対立を収束させてスペインと戦う体制を作った)。