Nox erat et caelo fulgebat luna sereno inter minora sidera, cum tu magnorum numen laesura deorum in verba iurabas mea, artius atque hedera procera astringitur ilex 5 lentis adhaerens bracchiis, dum pecori lupus et nautis infestus Orion turbaret hibernum mare intonsosque agitaret Apollinis aura capillos, fore hunc amorem mutuum, 10 o dolitura mea multum virtute Neaera! nam si quid in Flacco viri est, non feret assiduas potiori te dare noctes et quaeret iratus parem, nec semel offensi cedet constantia formae, 15 si certus intrarit dolor. et tu, quicumque es felicior atque meo nunc superbus incedis malo, sis pecore et multa dives tellure licebit tibique Pactolus fluat, 20 nec te Phythagorae fallant arcana renati formaque vincas Nirea, heu heu, translatos alio maerebis amores: ast ego vicissim risero.
夜だった,そして澄んだ空には月が 小さい星々の間に輝いていた, その時君は偉大な神々の神威を傷つけるべく 僕の言う通りに誓ったのだ, 木蔦が細いオークの木に巻き付くのよりももっときつく(5) つれなくする僕の腕にしがみつきながら, 狼が家畜を脅かし,そして船乗りらにとって 冬の海荒らすオリオンが恐ろしく 風が切られる事のないアポッローンの髪の毛を揺らす限りは この愛は相思相愛のものとあるでしょう,と.(10) おお,僕の男らしさによって,多くを悲しむことになるであろうネアエラよ! なぜなら,もしフラックスになにがしかの男らしさがあれば, その強い奴に君が夜をいつも捧げるのを我慢しないだろうし, 怒って相応しい相手を探すだろう, そして,一度怒った僕の不動の決心は,君の美貌には屈しないだろう,(15) もし,確かな悲しみが入り込んできたならば. そして,お前,誰であろうと,幸せいっぱいで,僕の不幸に今や 居丈高になって歩いているものよ, たとえお前が家畜や広い土地で裕福になっていて, パクトルス河*1がお前のために流れ,(20) 生まれ変わったピタゴラスの奥義をお前は熟知し*2, 姿はニーレウス*3に勝るとしても, ああ,ああ,別の男に移った愛を,お前は悲しむ事になるだろう. その時僕はお前に代わって笑う番だろう.
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誤植訂正しました.ご指摘ありがとうございます.
5 atrius → artius
9 intonsoque → intonsosque
*1 櫂によって素早く動ける反面,大型船には弱い船.
*2 アウグストゥスのこと.
*3 犬座のこと.7月末にのぼり,その時期の猛暑をもたらすとされていた.
*4 両方ともイタリア南端の隣り合った地域.これらを入れ替えて放牧するということは,莫大な放牧地を意味する.
*5 トゥスクルムはローマ近くの別荘地.キルケーとオデュッセウスを両親にもつテーレゴノスがこの別荘地の伝説上の創始者.
*6 喜劇で登場する老人の名前.